桜川よしえクリニック|大阪市浪速区桜川の皮膚科、美容皮膚科、形成外科

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皮膚科

ニキビ

ニキビとは?

ニキビとは、皮膚に存在する毛穴の中でアクネ菌というニキビの原因となる細菌が増殖して起こる皮膚トラブルの事です。一度できると菌が繁殖し、同じような箇所にできやすい、繰り返す、という性質があります。

主に皮脂分泌量が増える思春期に発生し、皮脂分泌が活発な肌質の人に発生しやすいトラブルでしたが、不規則な生活や食生活、過度なスキンケアなどで皮脂と水分バランスを崩したり、社会に出てからもストレスなどが原因となり、あらゆる年代に発生するトラブルになっています。

皮脂分泌量が増える事が原因で発生する事は同じですが、原因がわかりやすいのが「思春期ニキビ」で、原因が複雑化しているのが「大人ニキビ」と言えます。脂肌だけでなく、乾燥肌でも発生し、複数の原因が考えられます。また、赤く炎症するニキビや化膿ニキビはニキビ自体が治っても跡が残るトラブルでもあります。

ニキビの原因

主なニキビの原因

  • 皮膚のバリア機能の低下(水分量と皮脂量のバランスが悪い)
  • ホルモンバランスの乱れ(皮脂が過剰に分泌される)
  • 外的な刺激(化粧品、整髪料、汚れなどが付着する)
  • 内的な原因(便秘、食生活の乱れなど)

などが考えられます。
いずれも、皮脂の分泌量が正常ではなくなり、毛穴の中で必要以上に皮脂が滞ってしまいアクネ菌が繁殖する事が原因です。

ニキビの予防法・治療

ニキビは、症状がひどくなると跡に残る皮膚トラブルです。できる前に予防しておく事が大切です。

日常生活での注意点

丁寧なスキンケアで肌を清潔に保つ

ニキビはアクネ菌が毛穴の中で増殖する事で起こるトラブルです。毛穴に汚れが蓄積しないよう清潔にしておく事が大切です。洗浄力の強すぎない、低刺激の洗顔料を使用し、1日2回泡立てて優しく洗いましょう。摩擦がお肌に刺激になるので、洗顔後も拭く時は擦らないように優しく拭きましょう。

十分な睡眠をとる

睡眠不足はニキビを悪化させます。皮膚は寝ている間に回復が行われています。夜更かしや睡眠不足は、皮膚の回復を妨げてしまいます。

乾燥を避け、保湿を心がける

お肌が乾燥する事で皮膚のバリア機能が低下します。守る働きが弱ってしまうと、皮脂分泌量が増えニキビの悪化につながります。洗顔後も正しいケアでしっかり保湿しましょう。

栄養バランスのとれた食生活を意識する

お肌の栄養は食生活からと言われています。過度な偏食や暴飲暴食は皮脂分泌量を増やしてしまいます。ビタミン摂取を意識し、バランスの取れた食生活を心がけましょう。ニキビができるのには原因があります。一時的なケアではなく正常なお肌の生まれ変わりのサイクルを取り戻す生活や食生活、スキンケアが大切です。

ニキビができてしまった時の注意点

ニキビをさわったりつぶしたりすると、悪化させたりアクネ菌を増殖させる原因になります。凹凸があるのが気になりますが、とにかく刺激と汚れを避ける事が大切です。メイクも負担になるので、なるべく低刺激の物で長時間し続けないようにしましょう。

ニキビの治療

ニキビの治療は主に内服薬と外用薬が使われます。アダパレンや過酸化ベンゾイルなど毛穴の詰まりに作用する薬と、抗炎症作用のあるお薬を使用します。アダパレンやBPOは妊娠中には使用できないので、注意が必要です。赤ニキビには抗菌、抗炎症に作用するクリンダマイシン、ナジフロキサシンを使用していきます。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎とは?

アトピーとはギリシャ語で(アトポス)から来た言葉で、「奇妙な」という意味を持っています。
アトピーは、アレルギー性疾患の特殊な体質の人に起こるトラブルと考えられてきましたが、現代ではアトピーが深刻な社会問題となっています。
アトピーと一言で言っても発症の原因、症状もさまざまで対応も異なります。
改善が難しい、繰り返すことの多い疾患だと言われています。

アトピー性皮膚炎の原因

主にアトピーの原因は以下の3つです。

  1. アトピー因子を持つ体質
  2. 角質層バリア機能の低下(肌の乾燥)
  3. アトピーが出る原因となる外的刺激

この原因により、アトピー性皮膚炎が発症し、乾皮症、炎症、痒みが発生します。

1.アトピー因子を持つ体質

さまざまな異物の中で生活をしている現代人。
私たちは体内に侵入してくるさまざまな異物から自分に合わない物(抗原)に対する抗体を作り撃退しています。それが〈免疫〉という働きです。
それがうまく機能せずに、異物に過剰に反応してしまうのがアレルギー反応と言われています。
アレルギーが皮膚に出るのがアトピーです。内側に出るのが蕁麻疹やぜんそく、鼻炎などです。
アレルギー体質でなくても乾燥しやすくアトピーになりやすい肌質の人もいます。

2.角質層バリア機能の低下(肌の乾燥)

お肌を守る働きのある角質層が、肌の乾燥によりバリアする機能を失ってしまいます。
バリア機能の低下は悪循環を生み、肌の新陳代謝の低下になります。

  1. 角質バリア機能の低下(皮脂膜の喪失・細胞間脂質の減少)
  2. 表皮水分量の低下(水分蒸発がすすむ)
  3. 慢性的毛細血管の収縮(水分蒸発を防ごうとして縮む)
  4. 新陳代謝の低下(栄養不足で表皮代謝が異常になる)
  5. さらに皮膚バリア機能の低下が激しくなる

という悪循環を生み出します。

3.アトピーがでる要因

アレルゲンや、生活環境の悪化によりアトピーが発症しやすくなります。

アレルゲンの種類

吸入性アレルゲン

室内 ダニ、タタミ、そばがら、ペットの毛、衣類
花粉 ブタクサ、カナムグラ、スギ、アカマツ、ススキ
カビ アルテルナリア、ぺニシリウム、カンジダ

食物系アレルゲン

牛製品 牛肉、牛乳、チーズ、バター
鳥製品 鶏肉、卵、マヨネーズ
大豆製品 大豆油、おから、豆腐、納豆
その他 豚肉、小麦、米、とうもろこし

薬物系アレルゲン

鎮痛剤、解熱剤、抗生物質、ホルモン剤

接触系アレルゲン

薬物、合成物質、化粧品、塗料、衣服、金属、うるし

生活環境の悪化
自然環境 紫外線、大気汚染、水質汚染、化学物質
住宅環境 高層化、機密化、絨毯、エアコン、ペット
食生活 栄養の偏り、外食、偏食
社会構造 学校、職場、家庭内などのストレス、過労

アトピー改善のために

アトピー症状は、改善と悪化を繰り返します。
症状が改善される過程で、一時的に悪化しているような症状が出る場合もあります。

  1. 外的刺激によりすぐに症状が出る
  2. 症状に波があり、刺激が少ない時は出ないが、またすぐに症状が出る
  3. アトピー症状が出ているが、よい方向に向かっている
  4. 刺激を受けても症状が出ない

この1~4を繰り返して、症状が出ない状態を長くしていく事が大切です。

治療薬について

ステロイド剤

ステロイド剤は、副腎皮質ホルモン製剤で、抗炎症作用、抗アレルギー作用を持ちます。
強度や使用期間の長さによって重くなる傾向があります。

ステロイド剤とリバウンド

ステロイドを長期間連用していて急に中止するとリバウンドといって抑えられていた症状が急増する場合があります。
皮膚が赤く腫れたりするケースもありますが、徐々に寛解していきます。しかし、時間がかかったり痒みがひどくなる場合もあるので、急激に断とうとせずゆっくり時間をかけて少なくしていく事が必要です。

軟膏やクリーム、ローション

保護、保湿に優れている軟膏やクリーム、ローションは使用感や部位、症状によって使い分けます。
皮膚に乗せて優しく刺激にならないように塗り込みます。

内服薬

アトピー性皮膚炎は痒みが起こりやすく、一度痒みが出るとひどくかきむしってしまうため、痒みをおさえる目的で抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬を処方する事もあります。
※治療薬は場合によっては副作用が現れる場合もあるので、よく相談し理解した上で選ぶ事をおすすめします。

湿疹・手湿疹(手荒れ)

湿疹とは?

湿疹とは、皮膚の表面に起こる炎症の総称で、皮膚炎とも言われます。起こる原因はさまざまで、刺激に反応する事などで起こります。刺激に過剰に反応し、痒みや赤み、湿疹の症状が起こります。
湿疹はひどくなると、日常生活にも支障をきたしますが、軽度であれば、重要視せず長期にわたり放置してしまう人もいるので、そこから悪化するケースもあります。ひどくなってしまうと、治療が長期間にわたったり繰り返すので、早期治療が大切です。

湿疹の症状

湿疹の症状の特徴は痒みと赤みです。細かいプツプツや水ぶくれができるケースもあり、時間の経過と共に変化していきます。ただれやかさぶたになり治癒するケースや、慢性化すると皮膚がゴワゴワしてしまったり、色素沈着を起こす事もあります。また、繰り返し湿疹が発症するケースも多いのも特徴です。

湿疹の原因

湿疹の原因は外的な刺激が原因になるケースと、体質や体調などの内的な理由で発症するケースがあり、1つに特定しにくいのも特徴です。

外的刺激

花粉・カビ・化学物質・繊維・ハウスダスト・金属・薬品・ゴム・細菌・日光など

内的刺激

体質・体調・免疫力・乾燥・アレルギー体質・汗や皮脂の分泌量など

湿疹・手湿疹(手荒れ)の治療法

乾燥している場合は保護クリームなどで保護する必要があります。手湿疹の場合、ハンドクリームを塗り重ねても治癒はしません。一時凌ぎの保湿はできますが、根本的な治療にはならず、繰り返すケースが多いです。痒みや赤みが強く、ブツブツがある症状は、皮膚が炎症を起こしている状態なので、ハンドクリームで抑えられる症状ではありません。

症状に合った治療薬で炎症を抑えてから、保湿クリームなどで保護し、再発を予防する事が大切です。外的刺激などに原因がある場合は、接触を避け症状が出ている部分は皮膚を清潔にして保ちます。ステロイド剤や保湿保護剤など外的治療薬が有効なので、症状が出たら放置せずに早期に皮膚科を受診しましょう。ステロイド剤を使用しても、症状が改善されない場合は別の皮膚疾患や原因も考えられます。その場合も医師の診察を受け、経過をみましょう。

蕁麻疹

蕁麻疹とは?

蕁麻疹とは、皮膚に大小さまざまなぶつぶつや赤みが現れる皮膚疾患です。境界のはっきりした円形や地図状の盛り上がりが現れる症状で、強い痒みが伴います。人によりチクチクする場合もあり、顔を含む全身どこの部位にも起こります。

蕁麻疹の症状

蚊に刺されたような赤い膨らみ(膨疹)が現れるのが特徴で、膨疹の大きさはさまざま。赤みと強い痒みがあります。
焼けるような痛みを伴うケースもあります。湿疹とは違い、発症から24時間以内に消失しますが別の場所に新しく膨疹が出たり、範囲が広がる時は症状が長く続く事もあります。発症から数時間で消失しますが、同じきっかけで再度出現する事も多いです。

蕁麻疹の原因

蕁麻疹は、原因が特定できるのが全体の1~3割程度と言われ、多くの場合は原因がはっきりしません。多くが特定の刺激や、複数の原因が重なって引き起こされると言われています。

特定の刺激

食べ物 魚介類、卵、乳製品、肉類、野菜類など
物理的な刺激 着衣や下着の繊維、圧迫、寒冷、温熱、日光など
植物・昆虫 雑草・ハチなど
食品添加物 人工色素、添加物、防腐剤など
薬剤 抗生物質、非ステロイド、鎮痛剤など
感染症 細菌、ウイルス、真菌、寄生虫など
その他 運動、発汗、疲労、ストレスなど

上記の特定の刺激による原因以外では、免疫力が低下している時、睡眠不足や疲労、女性では月経などで体調が不安定な時に発症しやすいとされています。

蕁麻疹の治療

発症した蕁麻疹は、ほとんどの場合24時間以内に消失します。しかし、痒みや痛みが強い場合や24時間以上経っても症状が続いている場合は早期に医師の診察が必要です。症状が重い場合、唇の腫れや呼吸困難を引き起こす事もあるので自己判断せずに病院にかかりましょう。

蕁麻疹の治療は主に抗ヒスタミン薬の内服治療です。痒みがひどい場合はステロイド剤を塗って併用し、治療します。軽い症状から重い症状、繰り返すなど、さまざまな症状のある蕁麻疹ですが、症状によって有効な治療があります。

原因が分かり易い場合は、特定の刺激を避ける事ができますが、免疫力の低下やストレスなどは慢性化し繰り返す蕁麻疹につながりやすいです。日頃から規則正しい生活をして食生活に気を使うなど、自分でできる事は予防しておく事も必要です。

アレルギー

アレルギーとは?

アレルギーとは、特定の刺激により免疫機能が激しく反応を起こす事で、さまざまな症状を引き起こします。主に食べ物や薬、植物や金属などがアレルゲンとなり、くしゃみや鼻水などの軽い症状から、呼吸困難を引き起こす程の重度の症状までさまざまです。

アレルギーの症状

アレルギーは、体内に侵入しようとする異物(特定のアレルゲン)に対して過剰に拒否反応を起こす事です。目や鼻に反応すると鼻水やくしゃみ、目の痒みなどが起こります。
皮膚に反応を起こすと痒みや赤みの症状が起きます。強い痒みや赤みも特徴です。自覚がなくてもアレルゲンに反応する事もあり、過剰に摂取する事で症状が悪化する事があります。

アレルギーの原因

アレルギーは症状を起こしやすいアレルゲンが刺激になり発症します。自分で何のアレルギーを持っているのかを知っておく事で症状が出る前に避ける事ができます。

食物系アレルゲン 卵、小麦粉、大豆、ピーナツ、ソバ、ゴマ、米、甲殻類、果物、魚類、肉類など
花粉アレルゲン スギ、ヒノキ、ハンノキ、ブタクサ、よもぎ、シラカバなど
環境アレルゲン ハウスダスト、ペット、ダニ、ガなど
その他のアレルゲン カビ、カンジダ、マラセチア、ラテックスなど

アレルギーの治療

アレルギーはその症状がどこに発症するかで治療法や治療薬が異なります。自分が何のアレルギーを持っているかを知るためにも、血液検査をご検討ください。症状の有無に関わらず意識しておく事ができ、発症した時に原因を特定しやすくなります。

鼻炎や花粉、アトピー性皮膚炎など症状により外的投薬や内服薬、減感作療法、舌下投薬などさまざまな有効な治療法があります。少しでも気になる症状がある場合は我慢せずに早めの受診が大切です。

水虫

水虫とは?

水虫とは、白癬菌というカビが原因の感染症です。白癬菌は、人の髪や爪、角質、動物の毛や鱗などに含まれるケラチンタンパク質を好んで栄養源としています。40種類以上の菌種があると言われ、土壌に宿る(土壌好性菌)や動物に宿る(動物好性菌)、人に宿る(ヒト好性菌)があり、足に水虫を起こすのは、人から人に感染するヒト好性菌と言われています。

水虫は感染症なので、家族内やプール、マットなどから感染する可能性もあります。一度発症すると繰り返したり、無自覚のまま他人に感染させてしまうケースもあるので注意が必要です。また、治ったと思ってもカビの菌が消滅しない限り再発の可能性があるので、完治するまで治療を続ける事が大切です。

水虫の症状

水虫は痒みが強いのが特徴ですが、主に足の指の間が乾燥したり、赤くジュクジュクになったりします。足の裏の皮がむけたり、乾燥したりさまざまな症状があります。かかとなどの角質が厚くなりひび割れを伴うケースもあります。

足の裏や指の間に症状が出る事が多いですが、爪や手の水虫もあります。白癬菌は、手や体に感染しますが、9割は足です。足は靴を履くため蒸れやすく、他の部位に比べ、菌にとって繁殖し過ごしやすい高温多湿の環境が作られているからです。女性も1日靴を履いて過ごす仕事の人も増えたため、水虫に悩む人が増えています。

水虫の原因

水虫は、白癬菌という真菌から感染します。水虫にかかった人から感染するケースが多く、皮膚表面の汚れや不衛生な状態も感染しやすい環境といえます。足は汗をかきやすく、通気性の悪い状態が続くので、白癬菌が繁殖しやすい環境です。男性に多い疾患と思われがちですが、足の衛生環境次第では女性も感染しやすい疾患です。

水虫になりやすい人

  • 足を清潔に保てていない、足のケアをおろそかにしがちな人
  • 毎日、靴を履いている時間が長く、むれた状態が続く
  • 足の指が太く、くっついていて通気性が悪い
  • 体温が高く、汗をかきやすい体質
  • 脂性
  • 糖尿病、免疫不全などの持病がある

水虫の予防法・治療

水虫予防について

水虫予防には、原因となる白癬菌が好む環境を避ける事が大切です。

身体を清潔にする

足は特に蒸れやすく、不衛生な環境になりがちです。毎日足をこまめに洗い、指と指の間などは特に念入りに洗いましょう。角質層が傷ついてしまうと、白癬菌が入り込みやすいので、刺激を控えて清潔にしましょう。

家庭内の環境も清潔にする

白癬菌は感染します。家族内でもスリッパやマット、タオルなどを共用する事で感染する事が多いので、頻繁に洗濯をして乾燥させ、室内の環境も清潔に保ちましょう。

靴や靴下も通気性をよくし湿気を避ける

革靴やハイヒールなどは指の間が湿りやすく、通気性も悪くなりやすいので白癬菌が好む環境を作り出してしまいます。1日履き続けた靴は通気性の良いところに保管し、数足を履き替えるのもおすすめです。ナイロン性の靴は特に通気性が悪いので、素材選びも通気性が良いものを選ぶと良いです。

素足で利用する施設にも注意する

プールやフィットネスジム、温泉施設など、たくさんの人が素足で利用する施設では自覚がなくても白癬菌を持っている人がいる可能性があります。素足で利用する事で感染する可能性もあるので、よく洗い清潔に保ちましょう。

水虫になってしまった場合

水虫は悪化する前の早期治療が大切です。実際に自覚している症状以外の場所にも繁殖している可能性があります。症状がおさまっても消滅しない可能性もあるので、水虫は、市販の外用薬だけでは改善が難しい場合があります。次の場合は皮膚科を受診しましょう。

  • 爪の水虫(爪白癬)、しらくも(頭部白癬)の場合。
  • 湿疹か水虫か判断が難しい場合。
  • 患部が顔面、陰のう、粘膜、広範囲にある場合。
  • 化膿や炎症がひどい時や、外傷、亀裂がある場合。
  • 妊娠中、乳幼児、アレルギー体質の場合。
  • 他に皮膚疾患がある場合。

セルフケアができる場合

足の水虫、いんきんたむし、ぜにたむしは、上記の条件に当てはまらなければ市販の外用薬で治療できる場合もあります。その場合は2週間たって症状が改善されなければ皮膚科を受診しましょう。

医療機関での治療

白癬菌は、症状が出ている範囲よりも広範囲で寄生している事が多い疾患です。そのため、薬剤を広めに塗布し、経過を見ていきます。皮膚科では主に殺菌作用や菌の発育、繁殖を防ぐ抗真菌薬(ラノコナゾール、クロトリマゾールなど)が主に処方されます。

いずれも、皮膚表面が柔らかくなり薬の浸透が良いお風呂上がりに塗布し、清潔に保ちます。2週間が経過しても改善されにくい場合は再度医師の診断が必要です。水虫は悪化する前の早期治療が大切です。実際に自覚している症状以外の場所にも繁殖している可能性があります。抗真菌剤の外用薬で治療をします。

足は白癬菌が繁殖しやすい環境なので、とにかく足が蒸れないように環境を整えておく事も必要です。足の指や足の裏に隙間なく薬を1~2カ月根気強く続けます。症状がおさまっても消滅しない可能性もあるので、さらに1~2カ月治療を行い、根治を目指します。抗真菌薬は内服薬もあります。

イボ

イボとは?

イボとは、皮膚の表面が一部盛り上がった物で、患者さまが多い皮膚疾患のひとつです。専門的には「尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)」と言われています。

子供に多く見られる「伝染性軟属腫」や加齢が原因でできる、「老人性疣贅」、首回りにできる「軟繊維腫」などがあります。「軟繊維腫」は良性腫瘍である事が多いです。

イボは痛みなどが無い事が多いですが、見た目はイボでも悪性黒色腫や悪性の腫瘍の初期である事もあるため、初期での受診がおすすめです。

イボの原因

イボの原因はヒトパピローマウイルス(HPV)と呼ばれるウイルスの感染です。HPVにはさまざまな種類があり、イボ(尋常性疣贅)の原因はHPV2型と言われています。

HPVは皮膚にできた小さなキズからウイルスが入り込こみ、数カ月をかけてイボを作ります。細かいキズができやすい場所には発症しやすい傾向にあります。

イボのウイルスは正常な状態の皮膚なら感染する事は少なく、免疫力が低下していたり、バリア機能が弱っている時にできやすいと言われています。

イボの症状

イボは、皮膚の一部が盛り上がりってできます。顔や手や足などいろいろなところに発生しますが、痒みや痛みなどの症状はほとんどありません。不快な症状よりも見た目が気になる事が多いため、取るために病院にかかる事が多い皮膚疾患です。急に数が増えたり、増大する場合は早めに病院で診察しましょう。

イボの治療・予防法

イボの治療のほとんどが液体窒素で行います。液体窒素により細胞を凍らせる事で破壊します。麻酔を使用せず、簡便な治療法です。過半数のイボは液体窒素で治療する事で改善する可能性が高いです。

老人性イボは、紫外線を浴び続ける事で発生しやすくなるので、できる限り紫外線対策をしましょう。ウイルス性疣贅はかきむしる事でキズができ、皮膚の免疫機能が低下して発症する事もあるので乾燥やバリア機能低下を防ぐための保湿をしておく事も大切です。

ケガやキズは放っておかず、消毒し、絆創膏なとで保護をしっかり行いましょう。また、不規則な生活や食生活が続いたりストレスがたまる事で、免疫力が低下しウイルスに感染しやすくなるので、規則正しい生活や食生活を心がけ、免疫力アップを意識する事も大切です。

ホクロ

ホクロとは?

ホクロとは、メラニン色素を生産するメラニン細胞が変化した「母斑細胞」が増殖した皮膚の良性腫瘍の一種です。一言で「ホクロ」と言ってもタイプはさまざまで、ホクロと似た悪性の腫瘍もあります。また、生まれつきあるホクロと、成長過程で発生するホクロがあります。

小さな点程度の物から、直径2.5cmを超えるまでのさまざまな範囲があり、1cm未満がほとんどで6mm未満が多いと言われています。平な物、盛り上がった物、滑らかな物やザラザラした物など質感もさまざまあり、色も肌色、黄色、褐色などがあり、毛が生えている事もあります。

ホクロの原因

ホクロの原因は主に紫外線を大量に浴びる事だと言われていますが、それ以外にも原因があります。

紫外線

紫外線を大量に浴びると、色素細胞が黒い色素の元になるメラニン色素を大量に発生させます。紫外線を浴びた皮膚は新陳代謝が落ちるため、余分な色素を排出できなくなります。

摩擦や刺激

皮膚は刺激が加わると皮膚を守ろうとして過剰にメラニン色素を作り出す事があります。クレンジングや洗顔時の摩擦やメイクの時の刺激も注意が必要です。スキンケアを意識しすぎての過剰なピーリングやパッティングも力を入れすぎる事がホクロの原因になります。

生活の乱れ

ホクロはホルモンバランスや、ビタミン不足、新陳代謝が乱れたり不足する事でできやすくなります。睡眠不足や、食生活の乱れ、ストレスなどが重なり免疫力が低下すると新陳代謝が乱れやすくなります。日頃から生活習慣を整えたり、ビタミンB群を多く含む食生活を意識するなど新陳代謝をスムーズにする生活をする事が大切です。

ホクロの症状

ホクロにはさまざまな種類があり、さまざまな状態があります。生まれつきの物や、子供の頃に発生する物、大人になるにつれ大きくなる物があり、身体のいたるところに発生します。痛みや痒みはほとんどなく、色は肌色~茶色、または黒色がほとんどでまれに青く見える物もあります。

ほとんどの物は心配ないホクロですが、大きくなっている、境界がぼやけている、盛り上がってきた、など明らかに変化しているホクロは悪性の場合もあるので、皮膚科の診察をご検討ください。

ホクロの予防・治療法

ホクロは良性の物が多いので、特に治療しなくても良い場合が多いですが、見た目が気になるから取りたいという場合が多いです。希望があれば取る事ができます。

切除手術

悪性が疑われたり、病気の可能性のあるホクロは切除手術を行います。悪性の可能性が否定できない場合や、悪性が疑われる場合は、腫瘍の一部を切除し悪性か良性か検討する必要があります。

レーザー治療

皮膚の深部のメラニン色素のある細胞をレーザーで取り切る除去法あります。悪性腫瘍ではなく、見た目をきれいにしたい場合などはほとんどがレーザー治療で行われます。照射後に炎症が起こる可能性もあるため、治療後1~2週間はテープを貼って保護する必要があります。メラニン色素を作る細胞を取り除きますが、まれに再発する事もあります。

黒いできもの(老人性イボ)

老人性イボとは?

老人性イボとは、脂漏性角化症と呼ばれる、顔や首、腕や頭皮などの露出の多い場所できやすいイボの事です。

年を重ねるごとに発症率が上がり、80歳以上でほとんどの人にできると言われています。老化によりできるのでうつったりする心配はなく、放置しても体に害はありません。

老人性イボの原因

老人性イボの原因は加齢によるものです。皮膚の老化現象、紫外線が原因でできます。長年日光を浴び続ける事で、皮膚の表皮基底細胞の遺伝子に異常が起こる事が原因となります。

紫外線の刺激によって異常になった表皮基底細胞が増殖して、表皮の色素細胞が大量のメラニンを作ります。野外での仕事やスポーツを多くしている人は紫外線を浴びる量が多いため、多く見られます。

老人性イボの症状

老人性イボは、早ければ30代、40代で出現し、加齢と共に増える良性の腫瘍です。紫外線を多く浴びる事でできるので、露出が多い部分にできやすいのが特徴です。

脇の下や、脇腹、腹部、太ももなど日が当たらない部分にもできます。色は褐色や黒色が多く、直径数mm~2・3cmくらいの大きさで、痒みや痛みはなく、表面はイボ状ですべすべしているか少しザラついています。

悪性化する事もありません。皮膚の疾患としてというより見た目が気になって治療を希望する人が多いです。

老人性イボの予防・治療法

日常生活での注意点

老人性イボは、紫外線を多く浴びる事で数が増えて大きくなる事があります。外出時には紫外線をできるだけ避けるようにして日焼け止めを塗る、日傘をさす、帽子を被るなど対策しましょう。

摩擦や刺激でも増える事があるので、顔や体を洗う時は擦らないように注意しましょう。

老人性イボは、悪性の物ではありませんが、よく似た症状で悪性の物もあるので盛り上がりがある場合など気になる時は早めに皮膚科を受診しましょう。

皮膚科での治療

脂漏性角化症は、良性なのでそのままにしておいても問題はないですが、痒みを伴う場合は治療を行います。

液体窒素

麻酔は使用せず、マイナス196度の液体窒素をイボに当て凍結させます。凍結後3週間後に自然とイボが取れてきます。

大きさによっては1回の治療で取りきれず、繰り返し2、3回行っていきます。軽い痛みが1、2日ほど続くこともあり、治療後は少し炎症が残る事もあります。

外科的切除

他の腫瘍と区別が難しい場合はメスで手術し切除する方法が良いと言えます。老人性イボ以外の腫瘍は液体窒素による治療では取りきれないことが多いので、切除することで中途半端な治療の不安が解消されます。

局所麻酔を使用し、患部をメスまたは高周波メスで切除します。手術後は傷跡が残る可能性があります。

小児皮膚科

小児皮膚科とは

子供の皮膚は角質が薄く、バリア機能がうまく機能しない場合があります。水分と皮脂で皮膚は外からの刺激から保護していますが、皮脂量が不安定でうまくバリア機能が機能しません。保護する力が弱い薄い子供の皮膚は、ほんのささいな事が刺激になり、湿疹や皮膚トラブルにつながりやすいです。

また、うまく症状を伝えられない場合も多いため、気付かぬうちに皮膚疾患が悪化してしまう事もあります。子供の皮膚疾患は保護者がよく観察し、違和感があったり異常を訴える場合は早めに皮膚科を受診しましょう。